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「はなかみ先生」の思い出 あの頃は鼻汁を垂らした子供がたくさんいた

写真はイメージ

 今、インターネットで調べてみると、はなかみ先生の経歴が書かれています。それによると、先生は若い頃にアメリカに渡り、苦労して英語、絵画、音楽などさまざまなことを勉強した、とあります。

 古里に戻った先生はアメリカで学んだことを人々の生活に生かしていこうとしていたようです。特に子供たちには「はなをかむ」という習慣がなく、先生は毎日のように町や村を回り、子供たちにはなをかむことの大切さを語って歩いたのです。そしていつの頃からか、人々は「はなかみ先生」と呼ぶようになりました。

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佐々木常雄

佐々木常雄

東京都立駒込病院名誉院長。専門はがん化学療法・腫瘍内科学。1945年、山形県天童市生まれ。弘前大学医学部卒。青森県立中央病院から国立がんセンター(当時)を経て、75年から都立駒込病院化学療法科に勤務。08年から12年まで同院長。がん専門医として、2万人以上に抗がん剤治療を行い、2000人以上の最期をみとってきた。日本癌治療学会名誉会員、日本胃癌学会特別会員、癌と化学療法編集顧問などを務める。

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