がんと向き合い生きていく

薬もいくつかつくられたが…キノコはがんに効くのだろうか

カワラタケ

 雨の日が続いたある朝、狭い庭の畑にキノコの塊を3カ所見つけました。前日まではまったく見ませんでしたから、夜中に急に出てきたのでしょう。結構、たくさんあるのです。畑の中というよりも、歩く道、砂利の中に生えています。

 家には2冊、キノコの本があります。妻はその写真を指して「食べられる、ニワシメジだ」と言いますが、私は首を縦には振りません。「危ないから食べるのはやめよう」と答えました。

 ちょうど、その日はテレビでも「食べられるキノコ、食べられないキノコ」の話題を取り上げていました。しかし、素人にはなかなか区別ができません。

 結局、近くの野草園に行ってスタッフに尋ねてみると、食べられるキノコでした。さっそく採取して鍋にしてみたら、とてもおいしくいただけました。一緒に煮たネギ、豆腐も美味でした。

 昔、わが家の縁側には乾いた大きなサルノコシカケが1個置いてありました。あれはどうしたのか、食べた記憶はありません。

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佐々木常雄

佐々木常雄

東京都立駒込病院名誉院長。専門はがん化学療法・腫瘍内科学。1945年、山形県天童市生まれ。弘前大学医学部卒。青森県立中央病院から国立がんセンター(当時)を経て、75年から都立駒込病院化学療法科に勤務。08年から12年まで同院長。がん専門医として、2万人以上に抗がん剤治療を行い、2000人以上の最期をみとってきた。日本癌治療学会名誉会員、日本胃癌学会特別会員、癌と化学療法編集顧問などを務める。

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