当時、吉永小百合さん主演の「愛と死をみつめて」という映画がありました。たしか若くして顔面に骨肉腫ができた女性が、のちに亡くなる物語だったと思います。強烈な印象でした。
頭頚部がんは、発生する部位(鼻・副鼻腔、上咽頭、中咽頭、下咽頭、口腔内、喉頭)と進行度で治療方針が変わってきます。今はCTやMRIといった診断技術ばかりではなく、放射線治療や薬物療法が発達しました。部位によって薬物の感受性は違います。また、手術においても機能温存などが検討されます。ただ、当時は大きな手術が唯一の治療法だったと思います。
頭頚部がんの症状は、発生部位によって異なりますが、鼻出血、鼻閉、咽頭痛、嗄声などいろいろです。そして、原発巣による症状が少ないことも多く、頚部リンパ節腫脹(転移)で見つかる場合もあります。
現在、はなかみ先生のレリーフ像が故郷の公園に立っているようです。私の実家はなくなってしまいましたが、機会があれば一度訪ねてみたいと思っています。なにか、先生にはなをかんでいただいたことが、今は誇らしく思うのです。
がんと向き合い生きていく