ふらつき、めまい、息切れ…60歳以上は脳梗塞につながる心房細動を疑え

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「脳梗塞にはたくさんの病型があり、代表的なもののひとつが心原性脳塞栓症です。心臓の心房と呼ばれる部屋全体がけいれんするように小刻みに震え、規則正しい拡張と収縮ができなくなった状態が心房細動で、それが起こると血液がよどんで血栓ができ、その血栓が頭に飛ぶと、心原性脳塞栓症という脳梗塞を起こします」

 心房細動は増えており、その傾向は今後も続くと推測されている。

「心房細動が慢性的に起こっている慢性心房細動は100万人以上いるだろうと推測されています。発作的に起こる発作性心房細動も同じくらいいるとみられ、心房細動全体では200万人くらいと考えられます」(矢坂医師=以下同)

■「ノックアウト脳梗塞」の危険

 心原性脳塞栓症は「症状が重い」と前述した。心房細動によってできる血栓は、そのほかの血管にできる血栓より大きいことが多く、脳の比較的大きな血管に閉塞を起こすこともあり、そうなると脳の広範囲に障害が及ぶからだ。

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