科学が証明!ストレス解消法

「文章の指紋」によって他者が書いたなりすましはバレる!

デジタルは手書きより人となりが出やすい(C)日刊ゲンダイ

 昨今はスマホやSNSの普及によって、筆跡を偽るようにメールやメッセージアプリ上で、他者が本人を装うことも珍しくありません。実際、そういった行為が刑事事件、民事事件でしばしば争点になっており、私たちのような言語学者に、本人か否かの鑑定を依頼するケースが増えているほどです。

 では、どのようにして見破るのか──。先述したように、文章にも癖があるからこそ、バレてしまうのです。句読点のタイミングや助詞の使い方などには、それぞれに個性があります。我々の世界では、「文章の指紋」と呼んでいるのですが、個人の文章の特徴を集め、アルゴリズムやビッグデータ解析などによって、その人にしかない特徴を浮き彫りにすることができるのです。人の文章を見返してみると、「人となり」ならぬ「文字となり」のような個性があるんですね。

 また、日本語は「ひらがな」「カタカナ」「漢字」「アルファベット」を使い分ける言語ですから、その組み合わせにとても個性が出やすい。デジタルで作られた文章だからこそ、手書きより条件が安定しているため、解析がしやすいのです。

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堀田秀吾

堀田秀吾

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

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