感染症別 正しいクスリの使い方

【インフルエンザ】3年ぶりの流行に備えワクチンで重症化を防ぐ

加藤厚労相はコロナとインフルの同時流行への対応を呼びかけ(C)日刊ゲンダイ

 例年、流行のピークは1~2月に迎えるため、今からでも感染対策をしっかり行う必要があります。基本的には手指消毒、マスクの着用、3密を避けるなど、新型コロナ感染症と同じ対策でよいのですが、インフルエンザワクチンの接種も有効です。

 インフルエンザワクチンの最も大きな効果は「重症化」を予防することです。国内の研究によれば、65歳以上の高齢者福祉施設に入所している高齢者については34~55%の発病を阻止し、82%の死亡を阻止する効果があったというデータもあります。

 また、インフルエンザワクチンは新型コロナワクチンとの同時接種も可能です。私も同時接種を行いました。幸い今シーズンはインフルエンザワクチンの在庫不足はないようです。ワクチンが効果を発揮するまでには2週間程度の時間がかかることなども考えると、できるだけ早い時期に接種することをおすすめします。

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荒川隆之

荒川隆之

長久堂野村病院診療支援部薬剤科科長、薬剤師。1975年、奈良県生まれ。福山大学大学院卒。広島県薬剤師会常務理事、広島県病院薬剤師会理事、日本病院薬剤師会中小病院委員会副委員長などを兼務。日本病院薬剤師会感染制御認定薬剤師、日本化学療法学会抗菌化学療法認定薬剤師といった感染症対策に関する専門資格を取得。

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