老親・家族 在宅での看取り方

時には病院で検査を受けながら、日常は自宅で過ごすケースも

簡単な検査なら在宅医療でもできるが

 ちなみにそのリハビリには理学療法士が当たり、運動や体操、さらにはマッサージなどによって日常生活に必要な体の基本動作の維持・回復を目指します。

「なにかお困りのことはありますか?」(私)

「熱が上がったり下がったりで、12月の時には痰があって病院で診てもらったら胸にも痰がありそうだって」(妻)

 簡単な検査なら在宅医療でも行うことができますが、もっと精密にCT検査を受けるため病院に行った患者さん。

「土曜日にB病院で検査してCTとかも撮ったんですが、下の方に少し影があるけど大したことないって」(妻)

「脳梗塞をやっていますから痰が下にたまりやすく、ずっと炎症があるんだと思います。もしお熱が続くのであれば抗生剤を飲んでもいいんじゃないかなって思います」(私)

「また土曜日に病院で結果を聞いてきますので」(妻)

「では、ひとまずこのままでいきましょう」(私)

 患者さんやご家族が安心できるなら在宅にこだわらず、一番いい方法を共に模索することも在宅医療の大切な役割なのです。

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下山祐人

下山祐人

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

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