老親・家族 在宅での看取り方

時には病院で検査を受けながら、日常は自宅で過ごすケースも

簡単な検査なら在宅医療でもできるが

 奥さまと2人暮らしの、要介護2の75歳になる男性。高血圧と高脂血症からアテローム血栓性脳梗塞を起こし、右足に障害があります。アテローム血栓性脳梗塞は、脳血管内にコレステロールなどの塊ができて血流が悪化し、そこに血栓ができて血管が閉塞する病気です。

 昨年の年末に発熱。コロナ陽性との診断を受け、いったんは回復されましたが、それ以降発熱を繰り返し、不自由な右足もあることから頻繁な通院は困難になり、在宅医療を開始されたのでした。

 この方の場合、不自由となった右足のリハビリも自宅で行うことになりました。リハビリを在宅医療でも行えることを意外に思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、在宅でのリハビリは実際の生活環境に沿った訓練がリラックスした状態で行えることから、最近は高齢者のQOLを高める観点からも注目されているのです。

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下山祐人

下山祐人

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

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