膵がんの注目治療「プレシジョンメディシン」 遺伝子変異を解析し薬を選択

早期発見のチャンスを逃さないことが大事(C)日刊ゲンダイ

 切除不能の膵がんと診断された場合に行う遺伝子検査には「生殖細胞系列検査」と「体細胞系列検査」がある。

「血縁家族に膵がんが複数人いる、若年で発症した人がいる、といった場合には遺伝的な要因(特定の遺伝子変異)が疑われます。遺伝的な要因が関係しているのかを調べるのが生殖細胞系列遺伝子検査になります」

 代表的な遺伝子変異として、BRCA(ブラカ)遺伝子がある。

「BRCA遺伝子変異は膵がん、乳がん、卵巣がんなどのリスクを高めることが明らかになっています」

 BRCA遺伝子変異が判明すれば、膵がんの化学療法の標準治療として認められている薬に加え、BRCA遺伝子変異に効果があるとされている治療も選択肢に加わる。

「たとえば標準治療である『抗がん剤の組み合わせA』『組み合わせB』のどちらかで効果が得られなくなった場合、それらの組み合わせを変えた化学療法を2次療法として行います。しかし、BRCA遺伝子変異があると分かっていれば、第3の選択肢として別の薬が加わります」

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