肥満はなぜ健康を害するのか? 正月太りが解消できない人は要注意

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 こうした体内で起こる“変化”だけでなく、肥満があると、酸素や栄養分を全身に届けるために血液を余分に循環させる必要があるため、ポンプの役割を担っている心臓の負担が大きくなる。

 また、肥満の人は過食であることが多く、普段から中性脂肪やコレステロール、塩分、糖質を多く含む食品を過剰に摂取しているうえ、運動も不足している傾向が強い。そのため、高血糖、高血圧、高コレステロールといった生活習慣病が重なりやすくなる。先ほども触れたように、これらは心筋梗塞や狭心症などの虚血性心疾患、大動脈解離、心臓弁膜症、心房細動などの不整脈といった心臓疾患の大きなリスク因子で、やはり肥満は心臓にとって大敵となるのだ。

 食事のコントロールや運動習慣による減量は、高血圧、耐糖能異常、脂質異常症、高尿酸血症・痛風、冠動脈疾患、脳梗塞・一過性脳虚血発作、NAFLD(非アルコール性脂肪性肝疾患)、月経異常・女性不妊、SAS(閉塞性睡眠時無呼吸症候群)・肥満低換気症候群、運動器疾患(変形性関節症、変形性脊椎症など)、肥満関連腎臓病の健康障害が改善することがたしかに認められている。

 正月太りは早めに解消したい。

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