話を戻します。
あの講演以来、青空の会からはずっと冊子を送っていただいております。多くの遺族の方からの「お便り」の欄では、がんで夫を、妻を、お子さんを亡くした方々の思いがつづられています。
これまでの幸せから、急にひとりで生きることになる──。とても厳しいことだと思います。共にある、共に生きるということが、どんなに大切であったかを知らされます。
深く沈んだ心が蘇るまでは、人によって大きく違うと思うのですが、この冊子から、たくさんの方の心が救われているのがよく分かります。人は、みんな死ぬ、必ず別れがある。「別れて残されるよりも先に死んだ方が楽」と話される方もおられますが、一方で、死ぬことも楽かどうかは分かりません。いずれにしても、残された者はそれぞれ生きていかなければなりません。
青空の会のつどいの冊子には、「夫の死から24年が過ぎました。(中略)お墓の前では守って下さい、助けて下さいとお願いごとばかり……いつになったら安心してくださいといえるでしょうか?」とありました。とてもよく理解できる気がします。
がんと向き合い生きていく