■遺族からの手紙に勇気づけられたことも
厳しい人生経験を吐露することによって、あるいは聞き役に回って、助けられることも多いのだとも思います。私はこれまでたくさんのがん患者を診察させていただいてきましたが、遺族の方のケアは十分に出来ていなかったとつくづく思います。
1年に1回、病院で亡くなり、解剖させていただいた方の家族に集まってもらい、追悼の会を行いました。この会に出席された遺族の方々は、久しぶりに担当医や看護師に会い、当時を思い出し、多くは涙されました。
出会いと別れを繰り返すのが人生、そうは言っても、家族との別れはとても悲しいことです。「グリーフ(深い悲しみ)ケア」が大切といわれるようになって、今はグリーフケアの研修や講習を行っている施設もあるようです。
がんと向き合い生きていく