また、実際に鼻水が喉へ流れ出ていないにもかかわらず、後鼻漏に似た症状が現れる「仮性後鼻漏」には、主に上咽頭炎や逆流性食道炎が挙げられ、“偽物”の後鼻漏とされている。
「近年、花粉症患者の増加や、新たな感染症の出現などによって、患者数は年々増加しています」
実際、アレジオ銀座クリニックを受診する患者のうち、9割が後鼻漏の症状を訴えているという。
「鼻の炎症を放置した場合、細胞に傷がつき『DAMPs』という成分が放出されます。これは細胞の危機を知らせる信号として機能している成分で、本来は細胞の中から出てくることはありません。しかし一度出てしまうと自身の免疫細胞がそれを攻撃して、新たな炎症を引き起こすようになります。これを自然炎症と呼び、炎症が慢性化すると、この負の連鎖が繰り返され、薬での治療は難しくなってしまいます」