性染色体は性別に関わる染色体でX染色体とY染色体があり、通常は男性がXY、女性はXXです。このうちX染色体には自然免疫系遺伝子と獲得免疫系遺伝子が多数存在します。しかし、このままだと男性と女性、つまりオスとメスの間で遺伝子量が変わってしまいます。そこで、女性の2本あるX染色体のうち1本を不活性化する仕組みが備わっていて、これが先述したX染色体不活性化機構なのです。
ところが、この機構には不完全なところがあり、結果として男性よりも女性の方が免疫に関する遺伝子が多く発現するために、女性は男性よりも感染症に強い半面、アレルギーが多いのではないか、と言われているのです。
(弘邦医院院長・林雅之)
健康の「素朴な疑問」