「食べる時間と健康」何がわかり、何が未解決なのか? 時間栄養学の第一人者が語る

早稲田大学先進理工学部の柴田重信教授(提供写真)

 さらに高齢女性を対象にした、3食のタンパク質の摂取量と骨格筋量との関係を探る調査でも、朝食で多くのタンパク質を摂取している人は骨格筋指数(全身の筋肉量を身長の2乗で割った値)や握力が高いこと、それは朝食でのタンパク質の摂取量と相関関係にあることなどを報告している。

「BCAAが多く含まれている食品は、マグロ、カツオ、アジ、サンマ、牛肉、鶏肉、卵、大豆などです。まだ観察研究の段階で断定はできませんが、こうした食品を朝に取ることがサルコペニアを予防し、寝たきりを防ぐことにつながるのでないか、と考えています」

 ほかにもさまざまな栄養素の摂取と時計遺伝子との関係が明らかになっている。魚油に豊富に含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)といった脂質は、体内では合成できない必須脂肪酸で、中性脂肪の低下や抗血液凝集作用、抗炎症作用があり、脳梗塞や心筋梗塞などのほか認知症予防やがん予防などにも効果があることが報告されている。

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