しかし、この反論に対してさらに反論を考えてみる。「あなたは自分の知らない人に対しては、無視してもいいというのか。自分の知らない人が重症化してもそれはどうでもいいというのか」というのはどうか。これも十分理屈は通っているが、この反論に対しても反論することはそれほど難しいことではない。
「どうでもいいというわけではないが、そこまで広い範囲を考慮するのは私の役割ではなく、地域、市町村、あるいは都道府県、国が考えることではないですか」というのはどうか。しかしこれにだって反論はたやすい。
「それでは、国が『コロナは風邪でない』と言えばそれに従うんですね」というわけだ。それでも「いやいや、国がそう言ったところで、一人一人がどう考えるかは自由でしょう」ということになる。
ここで強調したいのは、この議論のどちらに分があるかということではない。この議論にはキリがないということである。
医療だけでは幸せになれない