腰痛治療最前線 検査で異常が見つからない慢性痛を改善する

痛みゼロを目標にしない

 神経障害性疼痛であれば、まずは過敏な神経の状態を正常に戻さなければならない。ガイドラインで推奨されている薬の第1選択がプレガバリンやアミトリプチリン、第2選択がノイロトロピンや弱オピオイド鎮痛薬、第3選択がモルヒネ。NSAIDsは、推奨する薬となっていない。

 腰痛で整形外科を受診するとよくあるパターンが、〈レントゲン検査後「異常が見られない。とりあえずお薬を出しましょう」とNSAIDsが処方される〉というものだが、それでは腰痛が改善しない可能性がある。

「腰痛の場合、レントゲンでわかることは限られています。それでも行うのはレントゲンでわかるような重篤な病気が隠れていないかを確認する必要があるからです」

 侵害受容性疼痛か神経障害性疼痛かは、痛みのある場所、どういう姿勢や動作で痛みが強く出るか、いつから痛みが生じているのか、これまでの治療歴などで判断する。混ざり合っているケースもあり、その場合は、どちらのメカニズムがより痛みに関係しているかを探りつつ、治療に入る。

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