健康長寿のカギは腎臓にあり

「慢性腎臓病=腎がん」ではないが透析になると発症率15倍

健康的な生活が大事

 慢性腎臓病=腎がんではない。ですが、慢性腎臓病も決して軽い病気ではありません。慢性腎臓病は特効薬がない病気。診断されたなら、生活習慣を改めるなどして、腎機能が現状より低下しないよう守っていくための治療を始めます。

 具体的には「高血圧、糖尿病の治療」「腎機能低下の合併症の治療」「健康的な生活習慣を送る」「定期的な腎臓の観察」があります。

 慢性腎臓病の患者さんは、高血圧や糖尿病を患っている人が非常に多い。私は「慢性腎臓病」と診断した場合には必ずこの2つの病気についても検査し、当てはまる患者さんには適切な薬を処方します。

 高血圧や糖尿病の薬には、腎臓を保護する作用があり、人工透析になることを遅らせることが証明されている薬もあります。

 次に「腎機能低下の合併症の治療」について。腎機能の低下が進行すると「動脈硬化」や「筋力低下」「腎性貧血」などが合併症として起きるリスクがある。そのため、定期的な通院で、これらを発症していないかどうかの確認が必要です。

2 / 3 ページ

森維久郎

森維久郎

三重大学医学部卒業。日本腎臓学会専門医。2020年5月、腎臓内科、糖尿病内科、生活習慣病の診療に特化したクリニックを開院。腎臓について伝える情報サイト「腎臓内科ドットコム(https://jinzonaika.com/)」を監修。

関連記事