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MRIでは異常がみつからない…造影MRIでより詳しく検査を

写真はイメージ

 その方は手術での完治を希望し、関節鏡手術を受けました。関節鏡手術とは関節の中に内視鏡を挿入し、モニター越しで体の内部を観察しながら手術を行います。関節唇損傷はモニターで映っており、その損傷は記録装置で録画をしておきました。

 術後は日常生活に問題ないレベルまで回復されましたが、この方には気がかりなことが残りました。肩関節唇損傷が今回の交通事故で発症したものと証明できないために、保険会社の交通事故外傷という認定が受けられなかったことです。

 読者の皆さんは、「肩関節唇損傷という病気がある。そしてその病気はMRIで異常がみつからないと言われても造影MRI検査で肩関節唇損傷だと診断されるケースがある」ということを知っておいてください。

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森大祐

森大祐

整形外科全般診療に長年携わる。米国トーマスジェファーソン大学で人工肩関節の臨床研究を行い、2000例超の肩関節手術を経験。現在は京都下鴨病院で肩関節や肘関節、スポーツ障害患者に診療を行う。サイトで整形外科疾患の情報を発信。

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