月経前のひどいイライラや落ち込みには抗うつ薬SSRIが効果あり

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 PMDD患者の訴えでよくみられるのは、「ささいなことで激高する」「ひどい言葉を投げかける」「手や足が出てしまう(暴力を振るってしまう)」「泣きたいわけでもないのに涙が出る」「生きている意味や自分の価値を感じられなくなる」など。男性の中には「女性の病気。自分には関係ない」と思う人がいるかもしれない。

「PMDD症状の影響を受けるのは、夫、パートナー、母親、子供」(大坪医師=以下同)

 本人もつらいが、周囲もつらいのだ。大坪医師が担当するPMDD専門外来には、毎日のように患者が来るという。

 症例として印象に残っているものとしては「月経前の2日間だけ体がどうしても動かず必ず学校を休む真面目な有名女子校の生徒」「『PMDDの症状があまりにもつらく卵巣を取りたい。卵巣を取ってくれる医師を紹介してくれると思ったのに』と泣きながら訴える38歳女性」「PMDDの症状のせいで、20代の間、周囲も本人もボーダーライン人格障害だと思っていた30代女性」。

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