■「10の徴候」でチェック
診断が難しいと前述した。そうはいっても小児科医ではPIDを念頭に置いて診察する医師もいるが、問題は成人のPIDだ。「PID=小児の病気」と捉えられる傾向があり、成人を診ている医師は、PIDの知識が一層乏しい。
50歳でPIDという診断を受けた女性(囲み参照)は、自身も医師。自分の疾患が何かわからず、複数の病院で検査を受けたものの、長らく正しい解を得られなかった。
「参考にして欲しいのは、PIDの『10の徴候』です。世界中で翻訳されています。小児では1つ、成人では2つ、該当すれば、PIDの可能性が考えられます」
成人と小児で「10の徴候」は多少異なる。
成人では、「1年に2回以上中耳炎にかかる」「1年に2回以上、重症副鼻腔炎を繰り返す」「体重減少を伴う慢性下痢症が見られる」など。