時間栄養学と旬の食材

【ウニ】妊活・妊娠中の女性に欠かせない「葉酸」が豊富

ウニの旬はほぼ通年

 大量に食べる機会が少ないのでなかなか栄養素まで考えることはありませんが、意外といろいろな栄養素が詰まった食材なのです。まずは、貧血防止に効果的とされ、妊活・妊娠中の女性にはぜひ取ってほしい葉酸。妊娠初期の胎児が脳や神経を形成するために流産や先天性異常などのリスクを減らすために必要不可欠な栄養素といわれています。

 そして、疲労回復効果が高いビタミンB1、肌荒れに効果的なビタミンB2、抗酸化作用が高いビタミンEなどに加え、朝に食べることで体内時計をしっかりと動かしてくれる働きのあるDHA・EPAも豊富に含まれています。

 そんなウニは1個(10グラム)当たり12キロカロリーと意外に低カロリー。食事中のコレステロールは血中のコレステロール値に直接的に影響を与えないことから摂取量の基準値は定められていませんが、日本人の食事摂取基準(2020年版)では、脂質異常症の重症化予防を目的にコレステロールを200ミリグラム/日未満にとどめることが望ましいとしています。

 そうした気になるコレステロールは生ウニ1個当たり29ミリグラム。一度に大量に食べることがそもそもの危険因子です! 適量を守りながらおいしく旬を満喫したいですね。

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古谷彰子

古谷彰子

早稲田大学大学院卒。早稲田大学時間栄養学研究所招聘研究員、愛国学園短期大学准教授、アスリートフードマイスター認定講師。「食べる時間を変えれば健康になる 時間栄養学入門」「時間栄養学が明らかにした『食べ方』の法則」(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。

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