重症では手だてがなかった「円形脱毛症」にリウマチ治療薬が効果大

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 昨年6月、主に関節リウマチの治療に使われるJAK阻害薬「オルミエント」(一般名バリシチニブ)の適応として、重症の「円形脱毛症」が追加された。これまで、重症の円形脱毛症に対しては有効な治療薬がなかっただけに期待されている。円形脱毛症は100人に2人の頻度でみられ、誰でも突然発症する可能性がある。しっかり知識を身に付けておきたい。西新宿サテライトクリニック院長の坪井良治氏に詳しく聞いた。

「円形脱毛症は、円形や楕円形の脱毛斑が生じる疾患で、これまでストレスが原因と考えられていました。しかし、実際は自己免疫機序によって発症します。頭皮の内側には『毛包』と呼ばれる毛根を中心にした皮膚組織があり、通常は、体内に侵入したウイルスや細菌などの異物を排除するリンパ球からの攻撃を受けないように守られています。しかし、免疫機能の異常など何らかのトラブルが起こると、一部のリンパ球が毛包を異物と勘違いして攻撃してしまい、脱毛が起こるのです」

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