重症では手だてがなかった「円形脱毛症」にリウマチ治療薬が効果大

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 遺伝的要素も円形脱毛症の原因のひとつだ。家庭内発生が10%あることから、発症しやすい体質が遺伝すると考えられている。また、円形脱毛症患者のうち、40%の人がアトピー性皮膚炎を合併し、リウマチや膠原病などの甲状腺の病気と合併する率は15%という報告がある。ほかにもケガや手術、発熱などでリンパ球が変動すると発症するケースもある。

「円形脱毛症は、人種や性別、年代を問わず誰でも発症する可能性があります。当院では年間約5000人が来院し、そのうち6~7割が円形脱毛症の患者さんです。患者さんは男性よりも、見た目に気を使う女性に多い印象があります」

 円形脱毛症のタイプは大きく6つに分類され、脱毛面積の範囲により重症度が診断される。

①単発型:頭部に1カ所のみ円形の脱毛がみられる。②多発型:脱毛部位が複数みられる。③蛇行型:脱毛の形状が細長く、後頭部から側頭部の生え際に沿って帯状の脱毛がみられる。④急速進行型:急速に頭部の脱毛が始まり、その後頭部全体が脱毛する。⑤全頭型:頭部全体に脱毛がみられる。⑥汎発型:頭部だけでなく、眉毛やまつげ、体毛など全身に脱毛がみられる。

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