老親・家族 在宅での看取り方

生活にコミットすることでこれまで見えてこなかった問題点が明らかに

飲み忘れの薬の把握は?

「訪問診療は病院まで行かなくていいというメリットがございますが、しっかり検査したいのであれば病院に行っていただいたほうが。もちろん病院と並行して在宅医療は継続できますので」(私)

「そうですね」(娘)

「お薬は今、お手元にありますか?」(私)

「今は見当たらないんです。大量にはあるようですが」(娘)

「いっぱい出されたんです」(患者)

 在宅医療では、しばしばこの患者さんのように、処方されているのにちゃんと服用されず、冷蔵庫や棚の奥から手つかずの薬が見つかるなんてことも。

 あくまでも服薬は自己管理が基本ですが、そのためにも患者さんご自身が、どんな薬を飲んでいて、どんな治療に効果が期待できるのか、などの認識は最低限必要になります。

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下山祐人

下山祐人

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

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