独白 愉快な“病人”たち

白血病と闘うフリーアナの小澤由実さん「あと数か月放置していたら…」

フリーアナウンサーの小澤由実さん(C)日刊ゲンダイ

 入院期間が6カ月(一時退院を挟みながら)必要と言われた瞬間、自分のことよりもまず子供たちのことと、仕事のことが頭をめぐりました。自宅に帰ってさっそく家族会議です。中2と小4の娘に「母は病気になりました」と切り出し、「入院でしばらく会えない」と打ち明けたとき、下の子は泣き出し、上の子はグッと我慢の表情でした。そんな子供たちをそこそこに自分は2階に上がって、仕事の関係者にあちこち電話。夫の話ではその間に上の子も泣いていたそうです。

 連絡が一通り終わると、次は掃除と片付け。そして、家族にあてた「○○は△△してね」といった指示の張り紙をあちこちに貼りまくって、深夜にやっと入院の荷造りをしました。

 バタバタの一日でしたが、寝る前に、わぁ~とこみ上げてくるものがあり「死」を意識したのか涙があふれ怖くなりました。「まだやりたいことがあったのになぁ」と落ち込んで……。でも、感傷に浸ったのはそのときぐらいで、すぐに「私は大丈夫だ、治る」という根拠のない自信が出てきたんです。「治った暁には、この経験を人に伝えよう」と、まだ治療も始まってないのに、全国講演することを考えていました(笑)。

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