老親・家族 在宅での看取り方

在宅医療開始初日に…「長いお付き合いになると思っていたところでした」

写真はイメージ

 奥さまによれば、10年ほど緩やかな進行だったのが、ここにきて急速に病勢が悪化。輸血のみの入院の継続も困難となり、末期医療として輸血のできる私たちの在宅医療を希望されたとのこと。

「病気的にはどうなんでしょうか?」(妻)

「厳しいかなと思います」(私)

 率直で厳しい内容の話も、会話を重ねることで、ご家族も次第に冷静に受け止められるようになっていきます。 

(奥さまと別室で)「意識の方も朦朧とされているので、苦痛のないような治療を行っていきたいと思っています」(私)

「私もここまで悪くなるとは思わなかったんですよね。救急車で運ばれた後も、1人でトイレとかに行けていたんですけどね、意思の疎通もしっかりできていましたし」(妻)

「今おしっこが出なくなっているので、そこが気になりますね」(私)

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下山祐人

下山祐人

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

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