HCVのほうは、輸血が主な感染経路になっています。現在は輸血用血液は厳格な検査が行われているため、医療が原因で感染するリスクはほとんどなくなりました。代わって海外でもらってくる人が増えています。消毒が不十分な器具で、入れ墨やボディーピアスを入れると、感染することがあるのです。
潜伏期間は2週間から半年で、約2割に風邪に似た症状が出ますが、残りの8割は無症状。しかし感染者の7割以上はウイルスが排除されず、そのまま軽い慢性肝炎に移行して、最終的に肝硬変や肝がんになっていきます。
それぞれのウイルスに対して有効な治療薬が開発されています。HBVはウイルスの数を減らすことは可能ですが、体内から完全に排除するのはまだ難しい段階です。HCVに関しては、完全排除が可能になりつつあります。
感染が心配という人は、せっかくの機会ですから健診に追加して調べてもらうといいでしょう。
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永田宏
長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授
筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。