科学が証明!ストレス解消法

子どもがSNSで悪い噂の対象になっていたら親はどうすべきか

写真はイメージ

 もう1つが「同調」と呼ばれる集団心理です。米ニューヨーク大学のドイチとジェラルドは、集団に同調するメカニズムを「規範的影響」と「情報的影響」に分けています。前者は、集団に認められたい・制裁を避けたいという欲求から集団規範に合った態度や行動を取る影響。後者は、何が正しいかわからないとき他者や集団の言動を「正しいもの」として受け入れて、それに合うような行動を取る影響を指します。

 例えば、噂は誰かの発言(多くは悪口)から始まります。これを聞いた誰かが、誰もその人の擁護に回らないと、その集団の中で、その人の悪口を言う「流れ」のようなものが発生していきます。流れを壊すような意見を言うと「仲間外れにされるんじゃないか」という不安から意図的に合わせるような発言をしてしまう……。これが同調です。

 その結果、「その人は悪い人」という方向に一気に傾く。そして、確証バイアスによって、その人に関する良い側面が忘れ去られ、場合によっては尾ひれが加えられていきます。このような状況になってしまった場合、その集団の中から信頼されている人に噂を否定してもらうことが有効な方法となります。信頼されている人の発言は「正解」として情報的影響が働く可能性があるからです。

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堀田秀吾

堀田秀吾

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

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