科学が証明!ストレス解消法

スマホを自分の近くに置いておくだけで認知機能が低下する

ついついスマホに手を伸ばしてしまう

 その結果、スマホを別の部屋に置いている被験者は、どのようなケースであれ目に見える(肌身に感じる)範囲に置いていた被験者よりも、大幅に成績が優れていたそうです。さらには、スマホを目に見える範囲に置いていた被験者と、ポケットやバッグなど目に触れない場所に置いていた被験者とでは、後者の方がわずかにテストの結果が上回りました。

 つまり、目の前のタスクに全力で取り組んでいたとしても、スマホが「ある」と感じるだけで集中力や認知能力が低下することが示唆されたというわけです。しかも、スマホのオン・オフに関係なく低下することも分かりました。

「スマホがそこにあるだけで、限られた認知リソースの一部がそちらに向いてしまう。無意識のうちに脳のリソースがスマホに向けられている」とは、ウォードらの弁です。たしかに、仕事や作業が一段落すると、自然とスマホを見てしまう……。これは、脳が「そこにスマホがある」と認識しているために、意識する・しないにかかわらず手が伸びてしまうのです。

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堀田秀吾

堀田秀吾

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

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