つまり、糖尿病で認知症を合併すると低血糖を起こしやすく、低血糖を起こすと認知機能低下が進みやすいという、負のスパイラルが出来上がってしまうのです。ただし、血糖管理を厳格に行うと認知機能を改善するかどうかについては、エビデンスは得られていません。
いずれにしろ、特に高齢者では低血糖に気をつけなくてはなりません。日本老年医学会・日本糖尿病学会合同委員会から発表された「高齢者糖尿病の血糖コントロール目標(HbA1c値)」では、高齢者が重症低血糖を起こしやすい糖尿病治療薬を用いる際は、HbA1c値の目標値は通常7.0%未満のところを条件に応じて7.5%未満から8.5%未満にするなど、緩やかに設定されています。
第一人者が教える 認知症のすべて