第一人者が教える 認知症のすべて

低血糖症を起こしたことがある人は認知症発症リスクが2倍になる

起きた時に頭痛がする場合も注意が必要

 低血糖を何度も起こさないことが肝要ですが、厄介なことに、低血糖は繰り返すと体が低血糖に慣れ、症状を自覚しづらくなり(無自覚低血糖)、対応が遅れがちになってしまいます。特に高齢者は無自覚低血糖を起こしやすく、突然昏睡に至ることもあります。また、睡眠中に低血糖を起こしていることもあります。

 認知症対策のためにも低血糖には十分に注意をしていただきたい。次回も低血糖の話を続けたいと思います。

■夜間低血糖の症状(糖尿病の家族にこんな 症状が見られたら要注意)
・寝汗をかいてうなされている
・攻撃的な言動がある
・目覚めて、動悸や悪寒を訴える
・朝起きた時、頭痛を訴える・朝、血糖値が高い

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新井平伊

新井平伊

1984年、順天堂大学大学院医学研究科修了。東京都精神医学総合研究所精神薬理部門主任研究員、順天堂大学医学部講師、順天堂大学大学院医学研究科精神・行動科学教授を経て、2019年からアルツクリニック東京院長。順天堂大学医学部名誉教授。アルツハイマー病の基礎と研究を中心とした老年精神医学が専門。日本老年精神医学会前理事長。1999年、当時日本で唯一の「若年性アルツハイマー病専門外来」を開設。2019年、世界に先駆けてアミロイドPET検査を含む「健脳ドック」を導入した。著書に「脳寿命を延ばす 認知症にならない18の方法」(文春新書)など。

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