Dr.中川 がんサバイバーの知恵

倉田真由美さんの夫は2度経験…がんの誤診を防ぐための患者の工夫

倉田真由美さん(C)日刊ゲンダイ

 患者さんの病気をきちんと診断することが医師の役目ですが、必ずしも十分に役目を果たせないこともあります。そんな現実を伝えたのが、漫画家の倉田真由美さん(52)です。

 夫で映画プロデューサーの叶井俊太郎氏(56)に黄疸の症状が見られたことから医療機関を受診。3軒目でステージ4のすい臓がんと診断されるまでの過程を自らのSNSに投稿しています。結論からいうと、1軒目と2軒目は誤診されていたわけです。

「(1軒目の)胃炎診断を信じていたら、胆管が詰まったまま胆管炎で死んでいたかもしれません」

 倉田さん夫妻は最初からがんを疑っていたようで、1軒目の医師にがんの可能性を質問したようですが、「がん? いやもしがんなら、末期で死にかけの色ですよ」と言われて、帰されたといいます。黄疸はまず肝臓や胆汁排泄路の異常を疑いますから、ひどい誤診ですが残念ながら誤診はゼロではありません。

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中川恵一

中川恵一

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

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