老親・家族 在宅での看取り方

夫の最期を共に過ごすために妻は「介護休業」を活用した

残された時間を一緒に過ごすために介護休暇の取得も…

 介護休業とは要介護状態となった家族を介護するために通算93日取得でき、3分割できます。本件のように介護休業を取り、残された時間の少ない患者さんに寄り添うご家族の方も珍しくありません。厚労省ではこれらの休業休暇の制度を、通院の付き添いや短時間の休みが必要な時に使うことを推奨しています。

 実際に当院でも診療時に同席するために介護休暇を使われている方はたくさんいらっしゃいますし、介護休業を取り、残された時間の少ない患者さんに寄り添うご家族の方も珍しくありません。

 その後、遠方に住むもうひとりの娘さんもご実家に帰ってこられ、最期をどう過ごすか、ご家族全員で話し合われたといいます。

 そんなご家族の意思の実現を支えることもまた、在宅医療の大切な務めだと考えています。

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下山祐人

下山祐人

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

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