私たち医療者が用いる認知機能評価検査は、今、ネット上でも出回っています。
「お父さん・お母さんとやってみた」と話す方が時々いるのですが、私はそれは全くお勧めしていません。
こういった検査は、検査する側の力量、これを「検査者能」と呼んでいるのですが、それが非常に大切です。娘さん・息子さんが親御さんに、ネットで見つけた検査に沿って質問し、「こんなこともわからないの?」「点数が、正常を下回っているよ」と指摘してしまう──。
娘さん・息子さんにとっては親御さんを心配しての行動であり、また、検査の結果に愕然として思わず口にしてしまった発言であるのでしょうが、親御さんにとっては、かなりの傷つく経験となるでしょう。
そもそも認知機能評価検査は、病院で医療従事者が行うにしても、高い検査者能が求められます。
第一人者が教える 認知症のすべて