正月に食中毒を起こさない! 「日本食中毒防止協会」専務理事が指摘する対策3原則

お正月にはやっぱりお重のお節料理

 せっけんを用いて、手首まで念入りに洗う。これが「つけない」ための洗い方だ。さらに、まな板や包丁などの調理器具は、使用の都度、きれいに洗うこと。

【②増やさない】

「人の2~3割が保菌しているといわれる黄色ブドウ球菌は、25度以上で増殖し、増殖する時に毒素を出します。黄色ブドウ球菌の毒素は100度、30分間の加熱でも分解されません」

 黄色ブドウ球菌を持っている人が餅を触ると、餅に細菌が付着。暖房が効いた部屋に放置すると黄色ブドウ球菌が短時間で爆発的に増加し、プクーッと膨らむまで焼いても、雑煮で煮込んでも、毒素はそのまま。

「ポイントは、『食中毒を引き起こす細菌は、種類によって増殖適用条件が異なる』と、しっかり認識すること。黄色ブドウ球菌は20度以下で増殖を防げますが、米などの穀物につくセレウス菌は4度以下でないと増殖を防げない。食品にどの細菌が付着しているかは、見た目では分かりません。黄色ブドウ球菌だけなら冷蔵庫でもいいが、セレウス菌対策まで考えると、調理後、速やかに冷凍庫で保管するべき」

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