がんと向き合い生きていく

日進月歩の医学分野について生成AIに質問してみた

佐々木常雄氏(C)日刊ゲンダイ

 おかげさまで新しい年を迎えることができました。昨年は、戦争をしている国に比べたら平穏な日本でしたが、新型コロナ5類移行、夏の平均気温過去最高、沖縄の基地問題など安全と平和、議員の裏金疑惑、旧統一教会と政治、お金と選挙等々が問われ続けた一年でした。

 こうしてみると、私にとって一年を通して明るい話題だったのは、メジャーリーグでの大谷翔平選手の活躍と、わが家ではたった1人の4歳の孫の成長でした。

 私は専門外でよく分からないのですが、急成長している対話型人工知能(AI)「ChatGPT(チャットGPT)」はどのように利用されていくのか、今後の期待と不安があります。昨年は夏休みの宿題について、ある教育委員会がAIの回答をコピーして提出しないようにと注意したことが話題になりました。

 恥ずかしい話ですが、この正月に娘夫婦がわが家に来てくれて、生成AIのやり方を教わりました。その翌日、ひとりでもやれることを確かめて、少し自信がつきました。たとえば、ある事柄について、自分で考えたことを生成AIではどう考えるのか。AIは機械ではあるものの、身近な相談相手になってくれると思いました。文献検索も、生成AIでは数秒もかからずに教えてくれるのです。

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佐々木常雄

佐々木常雄

東京都立駒込病院名誉院長。専門はがん化学療法・腫瘍内科学。1945年、山形県天童市生まれ。弘前大学医学部卒。青森県立中央病院から国立がんセンター(当時)を経て、75年から都立駒込病院化学療法科に勤務。08年から12年まで同院長。がん専門医として、2万人以上に抗がん剤治療を行い、2000人以上の最期をみとってきた。日本癌治療学会名誉会員、日本胃癌学会特別会員、癌と化学療法編集顧問などを務める。

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