高齢者の正しいクスリとの付き合い方

現在、日本で承認されている認知症の治療薬は3種類ある

アルツハイマー病新薬「レカネマブ(商品名レケンビ)」(エーザイ提供)

 そして最近、新たなクスリが登場しました。注射薬で、アルツハイマー型認知症を引き起こすとされる物質の中で最も神経毒性が強い物質に選択的に結合し、それを脳内から除去することで認知症症状の進行を抑制します。適応症はコリンエステラーゼ阻害薬と同じですが、これまでにない効き方のクスリなので、その効果に期待したいところです。

 現時点で薬物療法の対象となるのはアルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症だけですが、いずれも早期に治療を開始することがとても大事です。気になる方は病院を受診しましょう。

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東敬一朗

東敬一朗

1976年、愛知県生まれの三重県育ち。摂南大学卒。金沢大学大学院修了。薬学博士。日本リハビリテーション栄養学会理事。日本臨床栄養代謝学会代議員。栄養サポートチーム専門療法士、老年薬学指導薬剤師など、栄養や高齢者の薬物療法に関する専門資格を取得。

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