がんと向き合い生きていく

戦争、病気、災害…年が明けてあらためて考えさせられた

佐々木常雄氏(C)日刊ゲンダイ

 ロシア・ウクライナ、イスラエル・パレスチナ、毎日、戦争の報道が続いています。現地の人たち、子供たちはかわいそうです。国境なき医師団も悲惨な現状を訴えています。

 新聞記事の切り抜きを整理していたら、少し前になりますが、俳優の故・菅原文太さんがこんなことを話されていました。

「政治の役割は2つあります。1つは国民を飢えさせないこと。……もう1つは、これはもっとも大事です。絶対に戦争をしないこと」

 菅原文太さんが主演された映画を見たことはありませんでしたが、以前、福井からの列車の中でかっこいいお姿を拝見したことがありました。彼は東日本大震災のあと、戦争反対を積極的に発言していました。

 昨年亡くなった大江健三郎さん、坂本龍一さん、世界に誇る彼らも、戦争反対を叫んでいたと思います。戦後ずっと、戦争経験者は「絶対に戦争をしてはいけない」と訴えてきました。日本国憲法には「戦争放棄」が記載されています。

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佐々木常雄

佐々木常雄

東京都立駒込病院名誉院長。専門はがん化学療法・腫瘍内科学。1945年、山形県天童市生まれ。弘前大学医学部卒。青森県立中央病院から国立がんセンター(当時)を経て、75年から都立駒込病院化学療法科に勤務。08年から12年まで同院長。がん専門医として、2万人以上に抗がん剤治療を行い、2000人以上の最期をみとってきた。日本癌治療学会名誉会員、日本胃癌学会特別会員、癌と化学療法編集顧問などを務める。

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