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アメリカでは乳がんの死亡率が低下、若い大腸がん患者は増加

若い大腸がん患者は増加している(写真はイメージ)/(C)iStock

 特に大腸がんは、1990年代後半には50歳未満のがん死亡原因の4位だったのが、現在では男性で1位、女性で2位になりました。

 若い大腸がん患者の増加は、日本も含め世界的な傾向です。その理由はなぜか、食事、肥満、または環境の影響なのか、はっきりとした原因は説明できないとされています。

 また、がんの罹患者が増えた理由として、健診の感度が高まったためとする分析もあります。問題なのは、そのがんが有害か無害化を見分けるのが難しいことで、過剰に診断されている可能性もあるという見方もあります。 

 もう1点、米国がん協会が指摘するのは、人種による格差です。

 白人と比較して、黒人の前立腺、胃、子宮がん、ネイティブ・アメリカンの肝臓、胃、腎臓がんの死亡率は、2倍も高い事がわかっています。レポートは、がん予防への投資を増やし、低所得者が公平な治療を受けられるようにする必要があると訴えています。

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シェリー めぐみ

シェリー めぐみ

NYハーレムから、激動のアメリカをレポートするジャーナリスト。 ダイバーシティと人種問題、次世代を切りひらくZ世代、変貌するアメリカ政治が得意分野。 早稲稲田大学政経学部卒業後1991年NYに移住、FMラジオディレクターとしてニュース/エンタメ番組を手がけるかたわら、ロッキンオンなどの音楽誌に寄稿。メアリー・J・ブライジ、マライア・キャリー、ハービー・ハンコックなど大物ミュージシャンをはじめ、インタビューした相手は2000人を超える。現在フリージャーナリストとして、ラジオ、新聞、ウェブ媒体にて、政治、社会、エンタメなどジャンルを自由自在に横断し、一歩踏みこんだ情報を届けている。 2019年、ミレニアルとZ世代が本音で未来を語る座談会プロジェクト「NYフューチャーラボ」を立ち上げ、最先端を走り続けている。 ホームページURL: https://megumedia.com

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