科学が証明!ストレス解消法

「損したくない」と思うほど損をする…焦りが判断を誤らせる

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 すでに使った費用やコストに対して「もったいない」といった心理が働き、合理的な判断ができなくなってしまう「サンクコスト(効果)」という現象があります。

 サンク(sunk)とは「沈む・沈没」を意味する単語の過去形です。埋没してしまったコストに、人は焦りや憤りを覚え、正常な判断がつきにくくなるのです。

 人間は損得を考えたとき、より「損」をすることに敏感に反応をする生き物です。詐欺やセールスなどでも「今なら儲かる」「今なら安い」といった常套句が躍るのは、これらに反応してしまう人が多いからでしょう。今行動しないと損をしてしまうかも──。そうした焦りが間違った判断を促してしまうのかもしれません。

 行動する際には、損に対する反応を知り、意識的に衝動を抑えていく。目先の損を気にしているときこそ注意が必要。慌てて決めずに、一呼吸置くことを心がけてください。

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堀田秀吾

堀田秀吾

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

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