ただし、最近は胃がん検診に内視鏡が使われるようになり、咽頭の一部は内視鏡で同時にチェックできます。そのため以前に比べると、早期に発見されることも珍しくありません。
飲酒や喫煙を楽しむ方は、減らす努力とともに、胃がん検診では胃カメラを選んで、かつ「咽頭もよく診てください」とお願いすることです。私も夕食時のアルコールが欠かせないのでそうしています。
咽頭の周りはリンパ節が多く、リンパ節に転移しやすく、ある程度の大きさのリンパ節転移なら遠隔転移がなくてもステージ4に分類されます。しかし、遠隔転移がないケースでは、完治が見込める可能性も十分です。
咽頭がんや喉頭がんは、かつては手術が中心に行われていましたが、最近は放射線と抗がん剤を組み合わせる化学放射線療法が普及しています。手術では、声帯が障害されて声を失うリスクがありますが、化学放射線療法なら、そのリスクがありません。
Dr.中川 がんサバイバーの知恵