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米国9万人調査 トランスジェンダーの5割が「差別を恐れて引っ越し検討」

写真はイメージ(C)iStock

 またトランスであることを公表した8割が、学校の嫌がらせ、身体的攻撃、ネット上のいじめ、性自認に合ったトイレや更衣室の使用を拒否されるなどの虐待を経験しました。

 それでも性転換手術を受けたり、ホルモン治療を受けている回答者のうち84%は、人生に 「かなり満足」していると答えています。

 もう1つ気になるのはこの数字です。アメリカの半分近くの州ではここ数年、「トランスジェンダーへの医療を制限したり、LGBTQに関する本を学校や図書館で禁書にするなどの法律が施行されています。そのため回答者の5割近くが、「差別を恐れて別の州に引っ越すことを考えている。」と解答しました。実際に引っ越した人も5%いました。

 ただしこの調査はあくまで自主的な回答によるもので、全てのトランスジェンダーの声を代表するものではない、とNCTEはコメントしています。

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シェリー めぐみ

シェリー めぐみ

NYハーレムから、激動のアメリカをレポートするジャーナリスト。 ダイバーシティと人種問題、次世代を切りひらくZ世代、変貌するアメリカ政治が得意分野。 早稲稲田大学政経学部卒業後1991年NYに移住、FMラジオディレクターとしてニュース/エンタメ番組を手がけるかたわら、ロッキンオンなどの音楽誌に寄稿。メアリー・J・ブライジ、マライア・キャリー、ハービー・ハンコックなど大物ミュージシャンをはじめ、インタビューした相手は2000人を超える。現在フリージャーナリストとして、ラジオ、新聞、ウェブ媒体にて、政治、社会、エンタメなどジャンルを自由自在に横断し、一歩踏みこんだ情報を届けている。 2019年、ミレニアルとZ世代が本音で未来を語る座談会プロジェクト「NYフューチャーラボ」を立ち上げ、最先端を走り続けている。 ホームページURL: https://megumedia.com

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