老親・家族 在宅での看取り方

義父の干渉で、義母が検査や治療を積極的に受けたがらない

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「頭がすごくぐるぐるしてて、吐きそうで吐けない感じの気持ち悪さがあるんです」

 電話の主は70代の女性。旦那さんが指定難病の筋ジストロフィーを患っており、2人暮らしです。症状から念のため精密検査が必要と判断し、病院を紹介。奥さまに検査入院していただくこととなりました。

 女性はほどなく退院して自宅に戻られたのですが、今度は息子さんのお嫁さんから電話がありました。

「義母が治療を受けたがらないんです。先生から治療の必要性を説明してくれませんか」

 聞くと、何年か前も原因不明のめまいに悩み、大学病院で精密検査を受けたのだとか。しかし脳には異常がなく、耳鼻咽喉科で検査を受けてはどうかと提案されたのだそう。

「今回も、病院の先生から同じことを言われました。でも、義母はあちこち行くのに疲れ切っていて、追加の検査には消極的なんです。追加検査はいつしたらよいでしょうか? それからうちは義父がネックで受診できないこともあって……」

1 / 3 ページ

下山祐人

下山祐人

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

関連記事