低血糖リスクのある人は知っておきたい「バクスミー」の効果と限界

噴霧が完了したらすぐに医療機関に連絡し、医師の指示を仰ぐこと

「低血糖」は糖尿病を薬でコントロールしている人に高い頻度で現れる緊急的な状況を指す。血糖値がおよそ70㎎/デシリットルを下回ると、大量の汗をかき、顔面が蒼白になり、手足が震える。50㎎/デシリットル程度まで低下すると、頭痛や目のかすみ、集中力の低下、生あくびなどが増える。さらに低血糖が進行すると、他人の手を借りないと回復できない重度の状態に陥り、けいれんや昏睡状態に至り、命に関わることすらある。そんな低血糖に対して、新たな噴霧式薬剤「バクスミー」が登場した。糖尿病専門医である「しんクリニック」(東京・蒲田)の辛浩基院長に話を聞いた。

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「低血糖の原因はさまざまですが、最近目立つのは、糖尿病患者が自己判断で糖尿病薬を中止し、過度な糖質制限を行ったり、過剰な運動をして起こすケースです。また、食事の有無に関係なく飲むとすぐにインスリンが分泌される、以前のタイプの経口糖尿病治療薬を使用している人や、インスリン注射薬を使用している人でも見られます」

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