スポーツでわが子に「ケガをさせない」「繰り返さない」ポイント…スポーツドクターに聞いた

写真はイメージ

「Rest(安静)」「Icing(冷却)」「Compression(圧迫)」「Elevation(挙上)」。むやみに動かさず安静を保ち、患部に氷や氷水を15~20分当て冷やす。皮膚の感覚がなくなったらやめ、感覚が戻ったらまた当てる。患部に弾性の包帯などを巻いて圧迫し、心臓より高い位置に保つ。速やかに行うことで、痛みや腫れを長引かせない。RICE療法は応急処置なので、その後は医療機関を受診する。

■日常の姿勢がクセの原因になる

 一方、慢性のケガは、痛む患部を休ませるとともに、スポーツのフォーム、さらには日常での姿勢(座位や立位)や動作(歩行、立ち座り)にも目を向け修正していくことが重要だ。

「ある中学生は投球指導後はフォームが良くなるのですが、現場ではまた元に戻ってしまう。リハビリ後、待合室で見ると、背中を丸めて下を向いてずっとゲームをしていました。背中が丸まり肩甲骨が前傾する姿勢が習慣になっていると、骨盤が後傾して股関節がうまく使えなくなりやすい。ボールを投げる時には体をねじるわけですが、下半身がうまく使えず、手だけで投げるようになる。すると肩や肘など局所を酷使することになり痛みが生じる。また骨盤が後方に倒れた姿勢は、のけぞるような走り方になり、太もも後面の筋肉(ハムストリングス)が短縮し伸縮がうまくいかず、肉離れを起こしやすくなります」

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