老親・家族 在宅での看取り方

スマホを積極的に活用…連絡のやりとりが時代とともに変化

これからはスマートフォンを活用(C)iStock

 最近では「むくんでしまった」「皮膚が炎症を起こしているかもしれない」といった患者さんの状況を確認する際にも、患者さんや訪問看護師から撮影した患部の写真を事前にメールで送ってもらってから往診するということも珍しくありません。

 これからはこのように電話より、スマートフォンによるSMSでのやりとりのほうが負担が少なく、よりスムーズに相談できると感じる患者さん、医療従事者が多くなることでしょう。

 2024年4月に診療報酬と介護報酬が同時に改定されます。団塊世代が75歳以上を迎える2025年問題を目前に、増え続ける医療費や介護負担の軽減、さらには限られた医療資源の有効活用などといった課題にどう取り組むかなどに注目が集まっていますが、その中でICTの活用も議論となっています。

 特に地域の多様な事業所が連携し、患者さんを支える在宅医療では、ICTを用いていかに迅速に複合的に情報共有できるかがカギとなります。事実、今回の診療報酬改定ではICTを用いた情報共有に対し医療保険点数が加算されるなど、医療におけるICT化を国も後押ししようとしています。

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下山祐人

下山祐人

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

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