一生見える目をつくる

【ものもらい】温めると早く治る──?むしろ悪化させる可能性あり

疲れやストレスがきっかけに

 霰粒腫は、まぶたの中にあるマイボーム腺(まぶたの中に数十個並んでいる油を分泌する腺)からの分泌物(主に脂質)が排出されずに出口で詰まってしまうことが原因で発症します。

 なぜ分泌物が詰まってしまうのか、その仕組みは明らかになっていませんが、疲れやストレスがきっかけとなることはあるようです。なお、霰粒腫も麦粒腫と同様に人から人へ感染することはありません。

 霰粒腫の治療は、切開してしこりを袋ごと取る、つまり手術での摘出です。霰粒腫の周りが炎症を起こしている場合は、抗生物質の飲み薬や軟膏または点眼薬で治療することもあります。

 ステロイドの点眼薬に反応してしこりが多少小さくなることはありますが、袋は残ったままなので根治ではありません。根治したい場合は、手術で袋ごと摘出する必要があります。

 袋がなくならないと、霰粒腫は再発を繰り返すことも多くあります。目の周りなので見た目も気になりますし、最終的に手術で摘出する人が多いです。約15分以内で終了する日帰り手術で、まれに縫合した場合には1週間後ぐらいに抜糸を行います。

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荒井宏幸

荒井宏幸

クイーンズ・アイ・クリニック院長。医学博士・眼科専門医。医療法人社団ライト理事長。みなとみらいアイクリニック主任執刀医。防衛医科大学校非常勤講師。

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