病気と共に生きていく

体にあれほどの異常をきたす経験を経たからこそ、今の自分がいる

セルフポートレート展も開いた(提供写真)

 現在は、自分が考えていることを、絵や写真、文章など形を限定せずに表現したいと、活動をしています。その傍ら、彫師になるため、タトゥーの勉強もしているんです。アトピー性皮膚炎だったので、タトゥーをまさか自分がやるとは考えてもいなかった。それこそ、アトピー性皮膚炎の悪化時、ドロドロになっていた肌のところに、タトゥーが入っている。そういう人生に変わったから。

 仕事を辞めて、ふとタトゥーを入れたいと思ったんです。随分前に知人がタトゥーを入れているのを見て、めっちゃきれいと衝撃を受けたのが、どこかに残っていたのかもしれません。インターネットで見つけた彫師の方に会いに行き、足首にハスの花のつぼみに鳥が止まっているデザインを入れてもらい、その間、彫師と話が弾んで。

 当時古民家に住んでいたんですが、彼女(彫師)が遊びに行きたいと言い、そのまま2人で出かけるという謎の展開になったんです。そうやっていろいろ話しているうち、暇なら経理とかのバイトをしないかと誘われて。1年くらい続けているうちに、自分も「彫る」ということをやってみたくなり、タトゥーを学び始めました。

 アトピー性皮膚炎で家から一歩も出られなくなるような、自分にとって人生を揺るがすようなことがあったからこそ、現在の自分がいる。体にあれほどの異常をきたさなかったら、モヤモヤしながら公務員生活を続けていたかもしれません。

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