やけどの正しい治し方(4)残った傷痕をいかに改善できるか

やけどをしたら早めに医療機関を受診すること

 やけどを負ったとき、誰もが気になるのは「傷痕が残るのかどうか」だろう。同じように見える小さなやけどなのに、痕が残ったこともあれば、きれいに消えたこともある、という人もいるはずだ。やけどの痕が残るか残らないかはどこに違いがあるのか。

 やけどの専門家でもある「身原皮ふ科・形成外科クリニック」(広島市)の身原京美院長は言う。

「まず前提として、熱傷の深度は熱源の温度と接触時間によって決まります。それらによって皮膚がどこまで損傷を受けたか、ほぼ受傷時に決まるわけです。そして、たとえばⅠ度熱傷なら傷痕は残らない、Ⅱ度なら残る場合と残らない場合がある、Ⅲ度なら残る、ということも決まっています。ですから、傷痕が残るかどうかというのも、受傷した時点でほぼ決まっているということになります。その上で、それをいかに浅めに改善できるか、というのが治療になります。ただし、痕が残るほどの深いやけどを、痕が残らないように治すということは基本的にはできません」

1 / 2 ページ

関連記事